前の記事(「ベタなジャンルに挑戦してみた結果:実践70日目」)で、
力を注いでサイトを作って全然露出できないとがっくりくるので、リサーチ段階では簡単めなサイトにしておいて、アクセスが来そうだと判明したらサイトを修正していく、という方が効率的だ――
……と、頭ではわかっているけど、「手を抜いたサイト」を出稿するのは失礼な気持ちになって、どうにもニガテだ……。
という悩みを書きました。
「ビジネスなんだから割り切りが必要。こだわりは要らない」
ということを言う、お偉い方もいます。
いや、当時在籍した塾の塾生さんたちにもそう強く主張する人は少なくありませんでした。
なるほど、それはひとつの最適解なのだろうとも思います。
でも、私はずっと違和感を感じていました。
それは私が「ワクワクしてやれる」仕事ではないんです。
本業のイラスト業で「細部まで気持ちの入ったものを出さなければ失礼」という意識が強いこともあります。
そもそも私は、「効率よく時間内に生産する」よりも「自分の納得のいく作りこみをしたい」という、良く言えば職人気質、悪く言えば社会性・協調性に欠けている要素が強いからこそ、フリーの仕事を選んだのです。
その自分の性質、強みを無視して大量生産をしても、うまくいく気はしません。
とはいえ。
先に述べたとおり数をこなしていく必要性も感じていました。
ジレンマを感じながら作業の中で私が見つけ出した道は――
「抜く」のではなくて「絞る」
手を抜いたサイトではなく、絞り込んだサイトを作る方向性です。
いくつか訴求ポイントがある案件も、主張を絞り込み、それに価値を感じてくれるターゲット「だけ」には響く、というような一点集中型。
こうした形態だと、文字数などは少なくて作成時間は短いですが、尖った狙いがあるので一定のユーザーさんには刺さります。
リサーチはする分、あまり考えずに大量生産、という手法に比べればやっぱりスピードは遅いんですが、その作業は後々の力になると考えてやっています。
なにより大事なのは、コンセプト。
どういう人にどういう価値を紹介したいのか。
そこだけはしっかり決めて、それだけに絞り込んだサイトにする、ということを重視しています。
それができるのであれば、「時間をかけない=手抜き」ではないのだ、と。
あとは、サイトのデザインやコンテンツの構成に関しては、ある程度自分の中の「基本形」みたいなものを数パターン作りだし、ターゲットや紹介するものに合わせて選び、それにはめ込むことはしています。
考えていないわけではないけど、時短も目指すということで。
そのために結構テンプレートマニアっぽいところもあります(笑)
テンプレートを自分が納得いくようにカスタマイズしておいて、こういう場合はこのテンプレートのこの色で、と使い分けています。
大量生産が苦にならない人は、それもその人の強みですからいいのでしょう。
でも、私のようなタイプの方には、ぜひひとつの参考にしていただけたらと思います。